
なぜ『体がカタイ人の為のヨガ』なのか、
それは自分も身体が硬い人だったから。
小さな頃から開脚も前屈も苦手でした。
でも、足が90°しか開かなくても、前屈で手が床に届かなくても、
運動は出来たし、ヨガのインストラクターにもなれました。
身体が硬いことはそんなにネガティブな事なのだろうか?
硬さを理由にヨガを躊躇するのはナンセンスだと思っています。
だからどんな人でも来やすいように「体がカタイ人の為の‥」という前置きをつけました。
今回は私が開催しているヨガ教室の意図・目的について書きます。
この記事を読むことで、身体の硬さについて新しい認識を得て、
自分の身体を肯定する気持ちを持ってくれたらと思います。
目次
【体がカタイ人の為のヨガ教室】について
▷身体を柔らかくする為の教室ではない
教室で教えているのは“身体を柔らかくする為のヨガ”ではなく、
“身体が硬い人でもできるヨガ”です。
具体的には、座布団やタオルを利用したポーズの軽減法を伝えながらレッスンを行います。
呼吸と共に動けば固くなっていた筋肉がほぐれ、少しずつ柔軟性は向上していきますが、
例えば「90°開脚が150°開脚になった!」
このような変化は大人がヨガを習うだけでは難しいし、そもそもインストラクターの私が求めていません。
生徒さん達に対して
「身体を柔らかくしてキレイにポーズができるようになって欲しい!」
とはあまり思っていないのです。
それよりも「今ある自分の身体でできるヨガを知り、体感して欲しい」
そんな気持ちでレッスンを行っています。
この教室ではストイックに鍛え努力することよりも、
長く続けられること・心地良さ・前向きな心の変化
を大切にしています。
▷必要以上の柔らかさは要らない
なぜストイックさを求めないかというと、
過剰な柔らかさを求めるのは危険だと思うから。
若く筋力が十分あるうちは、可動域が広いことによるメリットが目立ちます。
取れるポーズが多いし、動かせる分エネルギー消費が高くなり代謝がよくなります。
しかし年齢を重ねると筋力は自然に減ります。
今まで関節を支えていた筋肉が衰えたり、
伸ばしすぎて筋肉の張力が失われてしまったり、
痛みや怪我のリスクが出てくるのです。
だからプロのダンサーでもない限り“柔軟性はほどほどで良い”と言うのが私見です。
私もヨガを習い始めた頃は180°開脚に憧れていましたが、人から聞いた話・経験・学びを経て、考えを改めました。
痛みのない身体で日常生活を送りたいなら、過剰な柔らかさは必要ない。
身体が硬くてなんとなく嫌だなと思っている方に知ってほしいのは、
その硬さは「自分の身体を守るための硬さ」でもあると言うこと。
これ以上動くと体を痛めてしまう域に達しないよう、硬さはあなたを怪我から守っている。
そう捉えれば、硬いことは恥ずかしいことではありません。
▷無意識の偏見
私の経験上、ヨガをする人の9割以上が「自分は身体が硬いから・・」と言います。
ヨガはアーサナ(ポーズ)のイメージが強いので、
ほぼ全員がそう口にしてしまう程、硬さがネックになるのでしょう。
ヨガは柔らかい人がやるものと言う無意識の偏見は根強くある。
私は硬い方だからヨガをする者として明らかに不利なのに、ヨガ講師になりました。
それは、硬い人が教えるからこそできる工夫があると思うから。
『硬い人の気持ちが分かる』そこが私のアドバンテージであり、
どこで苦労するか、どうしたら楽になるか?
自分の体を持って創意工夫できるのがインストラクターとしての強みでもあります。
ヨガを続けて身体はだいぶ柔らかくなりましたが、未だにできないポーズはたくさんある。
しかし学びを深めるほどに、完成形に至るかどうかは取るに足らない事だと思い至りました。
柔軟性あるなしはヨガをする上でさほど重要ではありません。
▷ヨガ本来の目的
私達はキレイなポーズをとる為にヨガをするのでしょうか?
そうではない。
ヨガは筋力や柔軟性を磨くだけのモノではなく「個々の悟り」を最終目的としています。
私たちは完成形に拘らず、身体の硬さで躊躇する事なくヨガをしていいのです。
- 緊張した筋肉の強張りを和らげる
- 身体と共に心をほぐし落ち着かせる
- 自分と向き合い、自分の状況を知る
教室ではこういったことに重きを置いて、心と体を整えるためのヨガをします。
今回は、自分の教室のコンセプトを深く知ってもらう為に文章を書きました。
記事を読み、ヨガを始めるハードルが少し下がってくれるといいなと思います。
心身がどんな状態であっても自分を肯定し、
動くことを楽しみ、
その心地良さを感じてくれたら嬉しいです。