- 頭痛がすれば頭痛薬を飲む。
- 風邪をひいたら内科or耳鼻科にかかる。
- 肌が荒れれば皮膚科、関節が痛くなれば整形外科。
こんなふうに、具合が悪い場所に対処するのが当たり前の治療だと思ってました。
実は、これらの軽症状には内臓の不調を肩代わりし、毒出しする意味が隠れていたのです。
今回は東洋医学の考えに基き、病のしくみをあらためて考える記事を書きます。
目次
【出る毒は出すべし】ちょっとした不調が教えてくれる事。
不調にはどんな意味があるのか?
- 疲れ目、視力低下
- 鼻水、ちくのう症
- 口内炎、口臭
- 外耳炎、中耳炎
- 歯痛、歯肉炎
- 関節痛
- 炎症(肌荒れ、湿疹、アレルギー)
大きな病院で外科手術を受けるほどじゃないけど、何気ない日々の不調は色々あります。
目、耳、口、鼻、関節、肌に出る症状は単純にそこが悪いのではなく、内臓の不調を肩代わりして代弁している可能性があります。
病は神出鬼没。
漢方では、全身には血管と同じような経絡(けいらく)という”気の通り道”があるとされています。
体のどこかが悪くなると、病毒は経絡を通じて体中を巡ります。
以前記事で”冷えは万病の元”と書きましたが、冷えて血行不良になり栄養が回ってこないと、一番影響を受けるのは内臓です。
しかし、生命を維持する為に内臓はそう簡単に止まる訳にはいきません。
だから、具合が悪くなると自分が倒れる前に経絡でつながれた一番末端の場所に悪いモノを出すのです。
病毒の出口は一箇所とは限りません。
例えば、動物性脂肪(コレステロール)の摂り過ぎで痛風になったとします。
この膵臓の不調が経絡を通って、足の親指に出る人もいるし、手の親指に出る人もいる。
鼻や耳に出る場合もあります。
その人の一番抵抗力が弱い場所、よく使っている場所に痛みが出てきます。
どこかにぶつけたとか外的要因が無い限り、その不調がどこからのSOSなのか?
自分の体に思い当たりそうな事を、下記詳細から探してみましょう。
五行学説に基づく箇所別症状。
◇肝臓・胆のうが病んだ時の症状
現れやすい場所 | 目、爪、筋。 疲れ目、視力低下 筋肉痛、ケイレン 爪がもろい、筋がはいる。 婦人科の不調(子宮の病気、更年期障害) |
なりやすい感情 | 怒りっぽい、イライラ |
顔色 | 青 |
好む味 | 酸っぱい |
養生できる食材 | 葉物類、ほうれん草、小松菜 梅干し、レモン、菜の花 ひじき、しじみ、ふき、大麦 |
◇心臓・小腸が病んだ時の症状
現れやすい場所 | 顔面、舌、血脈。 神経痛、みぞおち痛 動悸、息切れ 高血圧、不整脈 頭痛、物忘れ 寝つきがわるい | ||
なりやすい感情 | 喜(心配性、あがり症、興奮過多) | ||
顔色 | 赤 | ||
好む味 | 苦い | ||
養生できる食材 | トマト、くるみ、ゴーヤ パセリ、春菊、大根の葉 赤味噌 |
◇脾臓・胃が病んだ時の症状
現れやすい場所 | 口、唇、肌肉。 口内炎、唇の荒れ 貧血、月経困難症 お腹の張り、胃酸過多 食欲不振、食べ過ぎ 頭痛、鼻づまり | ||
なりやすい感情 | 思い(くよくよ考えすぎる) | ||
顔色 | 黄色 | ||
好む味 | 甘い | ||
養生できる食材 | キャベツ、コーン、かぼちゃ 栗、さつまいも、甘酒、米 |
◇肺・大腸が病んだ時の症状
現れやすい場所 | 鼻、体毛、皮膚。 呼吸器(咳、喉)の疾患 感染症・炎症性疾患(風邪、アレルギー) リウマチ(首~手に痛み) 頭痛 | ||
なりやすい感情 | 憂 悲(ふさぎがち、無気力) | ||
顔色 | 白 | ||
好む味 | 辛い | ||
養生できる食材 | 大根、玉ねぎ、レンコン 里芋、キノコ類、生姜 白ネギ、玄米 |
◇腎臓・膀胱が病んだ時の症状
現れやすい場所 | 耳、骨、関節、髪。 冷え、疲れやすい 気力、集中力の低下 ヘルニア、頭痛、肩こり こむら返り、耳鳴り | ||
なりやすい感情 | 驚 恐(不安感が強い) | ||
顔色 | 黒 | ||
好む味 | 塩辛い | ||
養生できる食材 | 味噌、醤油、漬物 梅干し、根菜、海藻 豆、そば、黒ゴマ |
出る毒は止めない。
最小抵抗部位に出てくる症状は、体内の毒だし。つまりデトックスの意味を持ちます。
自分の体を自分で治そうとする自然治癒能力の現れでもあります。
あまりにも耐えがたい時は、西洋医療の力を借りて、お薬をもらって対処するのも一つの方法ですが、
毒の根本が無くならないと、薬が切れれば症状はぶり返します。
冷え・食べ過ぎなどの不摂生、内臓の毒になる習慣に気をつけて過ごしていれば、体は勝手にデトックスします。
血、咳、鼻水、吹き出物、汗となり、毒がカラダの外に排出されるのです。
出てくる毒は、無理矢理止めないで全て出し切ってしまった方が良いんです。
◇瞑眩(めんげん)について。
健康習慣を始めて暫くすると、逆に不調が強く出てしまう。
この現象をめんげん(瞑眩)と言います。
これも病んでいた身体が快方に向かう途中で出す毒です。
デトックスの期間なので、不安にならずに出し切ってしまう方が良い。
病に侵されて鈍感になっていた身体が、だんだん正常に戻るにつれて病毒に敏感になった結果、不調が強く出るのです。
本当に病が悪化しているのか? それとも瞑眩(好転反応)なのか?
迷う場合は、顔色が判断基準になります。
病人の顔は、青・赤・黄・白・黒のいずれかが強くてまったくツヤがありません。
一方健康な人の顔は、色が薄く、ツヤツヤしています。
顔色が良くて、毎日の生活がちゃんとできていれば、そこまで心配する必要はないそうです。
食で養生のススメ。
私自身、健康不調・体力の低下など、なにか異変を感じた時は、食で養生するのが一番自分に効果があると思っています。
サプリメントや漢方薬は、まだ自分に合ったモノを見つけられていませんし、良質なモノを継続的しようと思えばかなりお金もかかります。
お金をかけずとも、普段の食事で充分に養生できます。
五臓別に養生できる食材をチェックして、意識的に摂ってみて下さい。
毎日口に入れるモノでジワジワと体は変わっていきます。
そして、一番強烈なデトックスの方法がファスティング(断食)です。
万人に当てはまる訳じゃないけど、食べ過ぎ傾向が強い現代の私達は、すこし消化器を休ませる事も必要です。
ファスティングに興味がある方は、こちらの記事も読んでみて下さい!
まとめ
いかがでしたか?
人間の体はすごく複雑で、心臓が悪いからと言ってすぐ心臓が痛くなってくれるとは限りません。
毒が巡り、様々な症状となって私達にピンチを教えてくれるのです。
不調が出ると一見嫌に思うけれど、痛みや不快感が無ければ、私たちは毎日の習慣を変えようとしません。
私も体の変化を感じなければ、ファスティングや食習慣改善に取り組みはしなかったと思います。
変わるきっかけになるなら、不調も悪い事ではないなと見方を変えられます。
御自身のなんとなく気になる不調がどの五臓六腑に関わるモノなのか?
ぜひ興味を持って調べてみて下さい。