- 上司の考え方にどうしても共感できない。
- 部下に思いが全然通じない。
職場でこんな思いしたことありますか?
私は大きな企業で長年働きながら、なんとなく居心地の悪さを度々感じていました。
今思えば、私は男女の脳の違いを分かっていなかったと思います。
今回は脳科学者・茂木健一郎さんの本
「男脳と女脳〜人間関係がうまくいく脳の活用術〜」の要約と、
自身の経験をふまえた学びを書いていきます。
仕事に限らず、異性の考え方の特徴を知っておくとすごく便利です。
地頭力をアップさせたい人にもおすすめです。
目次
【働きにくさの謎を解明】本の要約「男脳と女脳」。
□男脳・女脳とは?
■男性は左脳優位型が多い。
左脳は論理や思考を司り、文字や言語を認識します。
左脳優位タイプは製品のスペックや性能に拘ったり、フィギュアを集めたり、
オタク脳で一つの事にのめり込むと、寝食や人間関係がおろそかになりがちです。
■女性は右脳優位型が多い。
右脳は五感、感情、空間把握を認識する場所。
右脳優位タイプは感情やイメージ、人間関係を重要視し、
周りとの関係性の中で自分を活かそうと努めます。
太古の歴史・期待役割の違いによって、脳の使い方は男女別に特徴があります。
近年はジェンダーレス化で「男だから、女だから」と決めつけないようになりました。
しかし本人の質がどうであれ、産まれてからずっと男or女として生きているのだから、思考への影響は必ずあります。
□男脳の特徴。
- 男社会にはヒエラルキー・秩序がある。
- 順位をつけたがる。
- 危険な場所・冒険が好き。
- リスクをとりたがる。
- 逆境に燃える。
- 敵の痛みへの共感を完全にシャットダウンできる。
- くやしい思いがエネルギーになる。
なるほど、と思える節はありましたか?
私の前職は男性が多く、圧倒的男社会でした。
最近は女性管理職が増えましたが、10年ほど前は女性上司は数少なかったと思います。
私が働きながら疑問に感じていた事は、この男脳の特徴を知り、合点がいきました。
男社会で一番分かりやすいのが軍隊構造。
完全なヒエラルキーで、秩序を重んじ、上官の言うことは絶対。
だからこそ、男性にとってピラミッドの頂点に行こうとするのが本能であり、
すごく意味があるのです。
狩りに出たり、戦に向かうのは昔から男の役割で、危険な場所に飛び込むのが好き。
仕事のトラブルも、「自分ならなんとかできる」と闘志を燃やします。
勝利のためには敵の痛みへの共感を完全にシャットダウンできるので、冷酷にもなれます。
でもそれが、キングになるという事。
居心地の悪さの答え。
私が全然共感できなかった世界。
- 出世レース。
- 上司命令にNoは無い。
- 常にトラブル発生で、状況が読めないけど頑張れる。
- 地方にも海外にも行く。
これは男性的な戦う生き方そのもの。
男脳は戦いに闘志を燃やし、楽しんでさえいたのかもしれません。
私が感じていた違和感にはすんなり答えが出て、
もっと早く知っておけば、そうじゃない自分に悩む必要も無かったなと思いました。
尊敬すべき所。
個人的に男脳の最も優れてると思う点は、
『負けても挑戦する、悔しさが大きなエネルギーになる』ところです。
勝者は一人しかいないから、その他大勢はいつも敗者。
それでも負けを恐れず、敗戦から学び挑戦する姿勢は、勝負の舞台に上がらないよりよっぽどのびしろがあります。
そうやって成長する性質は尊敬できるし、自分も見習うべきと思っています。
□女脳の特徴。
- マウンティングするけど、指揮命令系統はない。
- フラットに近い人間関係をつくる。
- 「見られていること」が大前提。
- 共感し、共感を求める。
- 安全な場所が好き。
- 女の勘はするどい。
- 好き嫌いでジャッジする。
一方女性は、誰かの上に立つことにあまり価値を感じていません。
自分と相手、どちらの方が価値があるかマウンティングはするけど、相手の上に立つのが目的ではありません。
女性が上を目指すのは何か成し遂げたい時で、えらくなることがモチベーションの人は殆どいないと思います。
えらくなることよりも、自分自身の価値が大事。
女性は自分で獲物を狩るよりも、男性側から選ばれることが多いので、
美意識が高く、相手からどう見えているか?を意識します。
社会的な場で自分の役目を認識して立ち振る舞い、人間関係を潤滑に進めるのが上手いです。
そして何より、相手の気持ちに共感するのが得意で、同時に相手にもそれを求めます。
Instagramはまさに女脳が楽しめるモノ。
自分が可愛い・綺麗と思ったモノをみんなにシェアして、いいね!をしあう。
男性からしたら何の意味があるの?と思うでしょうが、女性はそれが楽しいのです。
相手の痛みに共感できて優しい反面、肝心な時に冷たい判断ができない側面もあります。
女性部下の扱いに困っているのなら・・・
もし女性部下からの支持や理解が得られない、気持ちが伝わらないと感じるなら、
それはあなたの「共感」が足りないのではないでしょうか?
相手への共感無しに、命令だけしても女性には響きません。
むしろ嫌われます。
相槌に「分かるよ」「そうだよね」の言葉があるだけできっと違います。
「自分の気持ちを分かってくれた」と思うだけで、信頼度・好感度は一気に上がるので試してみて下さい。
女性はそもそもか弱い存在なので、本能的に安定が好き。
子供を産めば自分より更に弱い子供を守る為に、安全でみんなで平和に共存できる環境が心地良いのです。
その特性を無視して、男性と同じ「にんじん」をぶら下げても、女性はきっと心の中でスルーしています。
女脳の強み。
右脳優位な人は感覚が優れているので、言語・理屈以外の情報を敏感に察します。
例えばウサギのような草食動物は、サバンナの中で常に危険がないか気にしています。
弱い動物は自分の身を守る為に、五感+第六感を働かせるのです。
女の勘が鋭く「なんとなくそんな気がする」が結構当たるのは、感覚が優れているから。
また、時には論理・理屈・整合性を無視して「好きor嫌い」という感覚だけで判断したりします。
論理的な人間からしたら全く理解できないと思いますが、この感性は武器とも言えます。
ネット上の情報を統計するシステムがあれば、データや理論による結論は誰でも出せるようになります。
人に説明できない自分の感性で作ったモノは誰にもコピーできない。
今後そういった所に価値が生まれるかもしれません。
□自分に欠けている方を磨いてみる。
脳科学者・茂木健一郎さんはこういった特徴を解説した上で、
- まずはお互いを知る。
- 足りない部分を磨いて、ハイブリッド脳を育てる。
を薦めています。
私も賛成です。
「男はバカだから・・」とか、「これだから女は・・」とか、
そもそも存在しているモノに文句を言ってもしょうがない。
互いの特徴を知れば、対処法やそれを上手く利用する対策が考えられます。
「男だから論理的、女だから感覚的」である必要もないので、
自分に足りないと思う方を意識して磨けば、実力アップします。
喋りだしは「結論・・」。
前の会社に入社した当時、その会社特有の口癖がいくつかありました。
その中のひとつが、「結論・・」。
特に男性の喋りだしは、みんなこの言葉。
最初はすごい不思議に思ったのですが、
新卒社員が伝え方の方法として習うテンプレートだと後から知りました。
「最初に結論、次にその理由3点」
相手に簡潔に伝わる、ものすごく論理的な話し方です。
女性は時系列でどんなプロセスかを長々と説明しがちなので、
心当たりがあれば、仕事の時は伝え方は結論からに変えてみましょう。
私もその会社で12年間働いたおかげで、かなり論理的思考・左脳が鍛えられました。
ビジネスにおいては、分かりやすく簡潔に相手に伝わる事が大切です。
雑談から得る情報は貴重。
女性はおしゃべりが得意。
結論が無くてもいつまでも会話が続きます。
しかし、このなにげない雑談こそが大切な情報源だと最近気が付きました。
今はネットで調べればなんでも分かる情報社会。
ネットの情報は誰でも手に入るから希少性は低く、その話に信憑性があるかは不明です。
現実世界での人との会話こそ、リアリティのある情報であり、実体験を伴う口コミには価値があると感じます。
損得を考えない無防備な雑談は、有効な気付きになり大変貴重です。
オタク脳タイプの人は、コミュニケーションは苦手かもしれないですが・・
会話の鉄則はひとつ。
とにかく質問する。
その人が今興味を持っている話題がひとつ掴めれば、
そこを深堀りするだけで、相手が勝手に喋ってくれます。
ぜひ試してみて下さいね!
まとめ
「男脳と女脳」の特徴、すこし掴めましたか?
男性と女性の視点や捉え方の違いは、思った以上に大きなすれ違いを生むと感じます。
パートナー・家族との関係も、これを知って解決できることが多いのではないかと思い、本の要約を書きました。
相手を攻略したければ、相手を知り、懐に入るのが一番の近道です。
茂木健一郎さんの本を読み、脳科学の側面から悩みにアプローチするのも有効な手段だと思いました。
たくさんの情報が手に入る昨今。
学ぶことでどんどん世界は拡がります!